世界の中心

 

幸福になれない人はそもそも幸福になろうとしてないとか幸福になる準備をしてないとはよく言うけど、実際その通りだと思った。

誰かの幸せを祈ったところで彼らは幸せになろうしていないからどうしようもない。

別に誰が悪いとかではないけど、そんなことをしても何の意味も無いことは確かだ。

 

彼らはいつも悪い結果になるのを知っているのに簡単に楽になろうとする。でも簡単に辿り着けるものの対価は概して悪意を孕んでいる。

わかっているはずなのに苦難の道を行くのは、目先のことしか見えていないことの証明だと思った。

 

 

そんなことを考えていると、いつも思いだすのは2年前に別れた彼女のことだ。

彼女は俺を振ったときに「結局その程度の男なんだよお前は」と言ったが、その言葉は亡霊のようにずっと俺に付き纏っている。

 

でも結局俺は「その程度の男」でしかなかった。

夢も希望もない大変大学2留の男はどの程度かと言われても、本当にその程度の男なのだ。そんな事実を突きつけられてから2年経ったけれど何も変わっていない自分には辟易する。

 

 

だから、今回彼女が俺をフった後にすぐ新しい男を作ったのも至極当然のことだと思った。

知ってすぐは悔しさが口をついて出てしまったけれど今考えてみたら確かに俺はしょーもないカス人間だった。

 

金も学もない。仕事もない。大学生というステータスをギリギリ保ったくだらない人間。顔もよくないし性格も良くない。

優しいんじゃなくて弱いだけの男。

だから俺を見限った彼女は賢いと思った。

 

 

本当にいやになる。

変わりたいと何度思っても一歩が踏み出せないのは何故なんだろう。

それこそ幸せになる方法を知っているはずなのに、幸せになる準備ができていないからなにもなし得ない。

 

やっぱり悪いのは自分だ。

でもせめて「その程度の男」とは言われないようになりたい。

 

 

他の誰でもない自分自身のために生きることを諦めないほうがいい。

結局世界の中心は自分だと思うから。