C・ジャーニー
遠い空からの声を聴いて無限の扉が生まれた
(どーん どーんと地響きが鳴る)
湧き出す清流がごとく慈しみの心を、私はくべた
扉の鍵は閉まったままで杏の花が不格好に枯れた
枝についた柿は怯えた表情でこちらを見てる
(どーん どーんと地響きが鳴る)
コスモの語りを私は作文にして共有したくなった
自分の使命はこれでしかないから
千年の窒息
億年の嘆息
回帰的宇宙からの脱却をめざし私は箒にまたがった
星々が眺むのは私の後悔の轍
ポケットにはピストルが入っていて、弾は一発だけ
よーいどんで出発するために号令に撃ったあと、ピストルはスペースデブリにしようと思った
きっともう必要ないから
打ちひしがれた稲妻の顔を見た
わたしにそっくりだった
砂になる前には、星に帰ろうと思った