亡き心へ
こんにちは ぼくはからっぽ人間です
右も左もわかりません
日々の楽しみはなんだったでしょうか
どうやって日々を過ごしているのでしょうか
なにをしたら良いのでしょうか
朝とは呼べない時間に起きて
昼食とは呼べない時間にご飯を食べて
深夜とも早朝ともつかない時間に眠りにつきます
昔はこうじゃなかったって思い込もうとしても
やっぱりぼくは昔からこうでした
いい変化も悪い変化もないのです
四半世紀を生きてぼくはなにを学んだのでしょうか
なにを得たのでしょうか
人並みと呼べるようなものを何一つ持っていないような気がします
なんにもないけれど生きています
けれどもこれは希望なんかじゃなくて
ましてや絶望でもありません
そこに在る だけなのです
むなしいと感じる心すらありません
それがどれだけむなしいことなのか 文字通り計り知れないのです
何者かになれると信じていた自分はいつのまにやら消えてしまいました
落ちぶれていった人間たちはみなこうやって静かに落ちていくのでしょうか
人生が詰んでいると気付いたのはいつなのでしょうか
ホームレスのおじさんも 大卒のフリーターも
なるべくなりたくはありませんが
そういった道も視野に入れなければいけない状況ですらあります
もしかしたらまだやり直せるのでしょうか
でもぼくにはできる自信がありません
自責の涙を流しながら
10年後 20年後にタイムスリップしたいと考えています
何も生み出さず 何も与えず 何も与えられない
虚無に等しい日々を送ることに恐怖を覚えているのです
ぼくはぼく自身を諦めました
変わることは叶いません
叶えたくとも叶わないといつの日かわかってしまったのです
度々高校の恩師の言葉を思い出します
いつかお前はがむしゃらに頑張ることになる
そして思い出すたびにベッドの上で恩師に土下座しているのです
ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい
ぼくには無理なのかもしれません
過去に戻れてもまた同じ道を辿るだろうという確信があります
もはや誰も僕を信じていないのです
自分自身で自分自身を謀っているのです
きっと生まれる時代と場所を間違えたのです
神様はなぜぼくを選んだのでしょう
母のお腹に宿るべく子種は きっとぼくではいけませんでした
そういった生命の論理は神様なんてファンタジーではなくて
ただの計算式で科学が証明してくれるものなのは理解しています
方程式があって 乱数表があって 神様はあとは寝ているだけです
でも神様がルールを作ったのですから
やはり悪いのは神様な気がします
誰かのせいにするなら 神様が最も都合が良いと思いました
つらいと感じるのは母や恋人の期待を裏切ることです
何度も母には泣かれていますが あの涙を思い出すと胸が張り裂けそうになります
恋人の期待を裏切ることを考えると今すぐ死んでしまいたくなります
それでも動けないのです
大義名分がないという大義名分の元に怠惰をむさぼっているのです
ぼくは何をしたら良いのでしょうか
誰でもいいからぼくを救ってください
ぼくを救ってください
ぼくを救ってください
ぼくを救ってください
ぼくは変われるでしょうか
誰かのために
せめて自分のためぐらいには生きられるでしょうか
明るい未来を信じるのは得意です
それしかやることがないからです
未来のぼくへ
変わっていてください
それこそが過去のぼくが信じた唯一の幸せです
変わらなくてもいいことはたくさんあるかもしれないけれど
君は変わるべきでした
本当に今に満足しているのですか?
本当に自分を謀りたいのですか?
ぼくは過去からあなたに祈り続けます
どうか 変わることを
2020 12/6 深夜のコンビニエンスストアにて。